『石川くん』 (枡野浩一著、集英社文庫)

石川くん (集英社文庫)石川くん (集英社文庫)
(2007/04/20)
枡野 浩一

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偉人たちを取り上げた本は世の中にあまたがあるが、
この本は異色中の異色。
歌人の枡野浩一が石川啄木をけなしまくっているのである。

彼が怠けもので仕事をしょっちゅう休んでいたこと、
毒舌で他人を辛らつにけなしていたことなどをからかい、
しまいには身長の低さ(158cm)までけなす。
「もしかして、ちんちんの大きさも気にしてる?」とまで!

いやあ、この本、実に面白いんだな。
けなしまくってるからじゃない(それもあるけど)。
その根底に、石川啄木への愛をびしばし感じることができるからだ。

愛のあるいじりは難しい。
でもだからこそ、読んでて楽しい。
ああ、石川啄木のダメなところも全部魅力なんだ。

こんな歌もあるのだ。さすが、石川くん!


「一度でも我に頭を下げさせし
人みな死ねと
いのりてしこと」





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『業界紙諸君!』(佐野 眞一/ちくま文庫)

業界紙諸君! (ちくま文庫)業界紙諸君! (ちくま文庫)
(2000/01)
佐野 眞一

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書庫を整理していて思わず読みふける。
上京したてのころによく読んだ本だ。

佐野眞一の書いたもので
出版業界志望者が読むべき本といえば、
『だれが「本」を殺すのか』を挙げるのが普通だろう。
けど、僕はこの本こそ、読まれるべきだと思っている。


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水上勉、黒岩重吾、五木寛之、藤沢周平、鎌田慧など、
業界紙出身の物書きは少なくないが、彼らには、
ある共通した匂いがあるような気がする。
あくまで低い姿勢を保ちながら、決して声高にはしゃべろうとしない。
断念とも含羞ともとれるこのスタンスのとり方には、
過去の業界紙記者体験が微妙に反映しており、
その行間には、一流といわれる新聞社や出版社を
人生のスタート台にしてこなかった男たちの
ルサンチマンと苦さがにじみでているように思えてならない。
(「プロローグ」より)
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「不安な心をしずめる名言」読者からの感想(3)

福島の大学に通う読者の方から
「不安な心をしずめる名言」の
感想メールをいただいた。



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真山さん初めまして。
本屋の元気が出る本のコーナーで
「不安な心をしずめる名言」を見つけました。

私は現在、福島県内の大学に通っています。
就職活動をしていくうちに、やりたいことを
追い求めていいものなのかと思うようになりました。
震災・原発など不安な出来事が起こり、
両親は地元で就職をするように諭してきます。

しかし…

「世間がどうあれ、あなたを決めるのはあなた自身でしょ」

背中を押されました。
両親を説得し、自分を信じて突き進みます。
私が強くなるためには両親に甘えたままではなく、
自分で見つけた理想像に近づくことだと思います。

辛くてもいいんです。
また本を読み返しますから(^-^)

素敵な本に出会えたことに感謝いたします。
ありがとうございました。

(福島県 大学生)

※1 ご本人の許可を得て転載しております。
※2 改行はこちらでいたしました。
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今回の東日本大震災、原発事故は
就職活動生を取り巻く状況も一変させてしまった。

「世間がどうあれ、あなたを決めるのはあなた自身でしょ」は、
『天使にラブソングを・・・』からのセリフで、
主演のウーピー・ゴールドバーグが演じる
デロリス・ヴァン・カルティエが生徒にかけた言葉。

この本のなかでは、比較的強めの言葉だけど、
一歩踏み出すきっかけになったなら、
とても、うれしい。

「辛くてもいいんです。
また本を読み返しますから(^-^)」

不安な心をしずめる名言不安な心をしずめる名言
(2011/06/18)
真山 知幸

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「思考停止ビジネス」(坂口孝則/徳間書店)

売りたかったら客に考えさせるな! 思考停止ビジネス売りたかったら客に考えさせるな! 思考停止ビジネス
(2011/03/19)
坂口 孝則

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ちょっとだけ仕事が一段落。
また明日からがんばらねばらないが、
溜まっていた本の紹介を少しずつ。

いわゆる悪徳商法の本は多田文明氏をはじめ、
多くの本がすでに出ているし、
幸か不幸か、僕は自分の体験としてもいくつか痛い目に遭っている。
そのキャリアを生かして友人を救ったケースもいくつかあったりして、
怪しげなものを見抜ける力はちょっと自信がある。
だが、本書を読んで、それでは全然いかんのだなあ、と反省。

「思考停止ビジネス」というくくり方が面白い。
そこには先に述べたような悪徳商法や宗教も含まれるのだが、
もっと身近な営業セールスも「思考停止ビジネス」であることが多いようだ。

たとえは、
法被を着て元気だけがとりえに見えるような兄ちゃんも、
4つのことを客に「させない」ように心がけているのだと著者は言う。

1:比較させない
2:分析させない
3:変えさせない
4:「買わない」ことをさせない

いやいや、ちゃんと家電買うときは比較して分析してるし、
実際に見て違うと思ったら商品も買えるし、
ダメだったら買わないよん~なんて余裕かましていても、
本人の気づかせぬように、それらを「させない」のが彼らの仕事だ。
うっかり買ってしまった、なんとなく気持ちが乗ってきたので購入した、
なんてときは、この思考停止ビジネスに嵌められたときが多いのではなかろうか・・・。

不景気なこの時代。
いくら無駄なものは買わないと思っていても、
相手は「買わせるプロ」である。
物が売れないのは当たり前で、
それでもかつ売るために現場に送り込まれてきている。
ましてや家のセールスマンなどでかい額を買わせる営業は、
その仕事が続いている時点で、ツワモノだろう。

もちろん、営業マンは敵ではない。
ただ、良い買い物をするためにも、
どんな心理テクニックを使ってくるのか、
客としても、手の内は知っておいたほうがいいかもしれん。
上の4つの「させない」は、そのほんの一例である。

ああ、今もページをぱらぱらしていると
「希少性」「自分に都合の良い情報だけを選びたい欲求」などの
文字が飛び込んでくる。

耳が痛し・・・。



将来への不安で今の幸せを忘れたくはない

本末転倒ではないか、と思うのときがある。
来るべき将来を心配するあまり、
今、生きている日々を大事にしていないようなときだ。

健康のためなら死んでもいい--。
なんじゃそらといいたくなるフレーズだが、
ほんとのところは、笑えなかったりする。
手段が目的化するわなはいつも潜んでいる、

ビートたけしは言う。

「将来はさ、将来はみんな不安なんだよ
でもそれをあえて出さないほうが、
男としてはカッコいいと思わない?」





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プロフィール

真山知幸

Author:真山知幸
真山知幸。執筆業。著書に『大富豪破天荒伝説』(東京書籍)、『君の歳にあの偉人は何を語ったか』(星海社新書)、『天才100の名言』『不安な心をしずめる名言』(PHP研究所)、監修に『恋する文豪』(東京書籍)など。他の筆名含めて著作は計23冊(うち監修2冊)。名古屋外国語大学で現代国際学特殊講義など。
【メール】
mayama.tomoyuki(at)gmail.com
※ (at) は @ に置き換えて下さい

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