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討論ではない「座談会」が日本人にはよく合う

インタビュー、対談をまとめるのが、三度の飯より好きなワタクシ…・・。
いや、さすがにそれは言い過ぎですかね。
でも、自分で文章を書くのは、全く違う筋肉を使っている感じが心地よいのです。

人数が多い座談会となると、一人一人の発言量は減るけれども、流れを作る楽しさはさらに増すような気がします。
視点が増えますからね。

そんな座談会って、日本の雑誌でやたらと多い形式なのだ。
今日の座談会の設計をつくったのは、文藝春秋の創業者、菊池寛。
菊池寛は言います。

「多くの権威を一堂に集めて、短時間に意見なり思想なりを発表してもらう便法は、座談会の功績で、恐らく新聞雑誌の続く限り、座談会と云う形式は永久に続くであろう」

この予見通りになっているといえるでしょう。
そんな「座談」について、掘り下げたのがこの一冊。



座談の思想 (新潮選書)


紹介されている外国人パネリストの座談会評が実に面白いんです。
なんでこんなものが日本では主流なのか、という感じなんですな。

「首尾一貫していて、よく練り上げられ、よく考え抜かれた議論が不在」

「『座談会』は、実際には衝突を起こす話題を排除することによって、コンセンサスによって成立するイデオロギーを強化している」


手厳しいご意見、そのとおりだなあとも思います。
人選の段階で、本格的な衝突は避けるメンバーを集めるのが常ですしね。

しかし、そもそも座談会とはディスカッションではないところに醍醐味がある。

以下、本書より。

「ここで生まれる関係とは、相手に対する譲歩ではない。
さりとて真っ向から対立している訳でもない。
向こう側の意見に何がしか自分が気付かされるところがあり、それによって生じる思わぬ話の展開に身を任せるという、まさに会話の持つ弾力性によって裏打ちされた自在感に富むものである」


相手の思想に触れながら、自分の思想と類似点と差異に改めて着目する。
そのことで、自分自身への気づきが生まれることもある。

必ずしも明確な結論を出そうとしないところも、座談会の面白いところなのだ。



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取り巻く世界は読書で変わる(『目でみる漢字』『よくわかる元素図鑑』)


目でみる漢字

小学生になったばかりの息子。
もともと、文字が書くのが好きだが、ひらがなよりも漢字のほうが、書きやすそう。
角ばっているから書きやすいのかな、と思っていたけど、それだけではなさそう。
漢字のほうが、意味と形をイメージしやすいようだ。

『目でみる漢字』は、そんな息子の想像力を育むのに一役買っている。
「王」なんて、これで一発で覚えるもの。

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大人向けの本で、子どもが読んでも楽しい本はたくさんある。
『よくわかる元素図鑑』もその一冊。
美しさに見とれているうちに、学者になっちゃうなんてこともあると思う。


よくわかる元素図鑑

夏休み、まっさかり。
たくさん遊んで、たくさん本を読むべし。


官僚はただ家に帰りたかっただけ!?『家庭の幸福』(太宰治)

なぜこの事実をマスコミは報道しないんだっ!!

……という憤りをネット上で読むことがあるが、それは単に「多くの読者に関心がないから」「視聴率がとれないから」だったりするのだけど、どうも陰謀論に持ち込みたがる人が多いようだ。マスコミを「マスゴミ」といい嘲る人のほうが、よりマスコミ情報に一喜一憂しがちな気がしてならない。

何かとマスコミ批判する人もいれば、何かと官僚批判する人もいる。それは、何も今に始まったことではないようで、太宰治の短編『家庭の幸福』の出だしはこんなである。


《「官僚が悪い」という言葉は、所謂「清く明るくほがらかに」などという言葉と同様に、いかにも間が抜けて陳腐で、馬鹿らしくさえ感ぜられて……》


そう言っていた「私」だが、ラジオ放送で官僚の厚顔無恥な物言いに激怒。しかし、そこから想像を膨らまして、役人側の背景に迫ると、またその怒りは沈んでいく。そして、官僚が杓子定規で融通の利かない態度をとるのは、単に彼が「家族が待つ家に早く帰りたいから」かもしれないと想いを馳せる。

いや、官僚だけではない。すべての官僚的な気風は、家庭のエゴイズムから来ているのではないかと、この作品は訴えかける。つまり、何か大きな力が働いているわけでもなければ、何か都合の悪いものを隠しているわけでもない。ただ、官僚が家に早く帰りたいからではないか、そして、それは誰の気持ちにでもあるのではないか、という太宰の筆は実に鋭い。


そして、こう結論付けるのだ。



「家庭の幸福は諸悪の本」


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そういえば、「既得権益にメスを入れろ」という声はあちこちで上がるが、「オレの既得権益にメスを入れてくれ」という声は聞いたことがない。これも各人の家庭を守るためのエゴイズムから来ていることが多いのではなかろうか。


ちなみに、『家庭の幸福』は『ヴィヨンの妻』(新潮文庫)に収蔵されております。面白いですよ。



ヴィヨンの妻 (新潮文庫)ヴィヨンの妻 (新潮文庫)
(1950/12/22)
太宰 治

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『よちよち文藝部』でキャラとしての文豪を楽しもう

よちよち文藝部よちよち文藝部
(2012/10/21)
久世 番子

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太宰治、夏目漱石、中原中也、志賀直哉・・・。
日本の近代文学史に名を刻む作家たちを
その作品とともに、いじり倒した1冊。
 
いやあ、作家ってキャラが濃いから
ツッコミ甲斐がありますな。

やっぱりこういう本って「作品を読んでみたい」ってところに
もっていかないといかんと思うわけですが、
その点もばっちり。
元ねたを知らなくても漫画は楽しめるけど、
知るともっと楽しめそうなのが伝わってくるから、
なんとなく敬遠していた名作にも手が伸びるというもの。

新潮文庫の「*」(注釈)の多さをネタにした、
川端康成の『雪国』の回はマニアックな着眼点に感服。

『恋する文豪』と併せて、
キャラとしての文豪をお楽しみくださいませ。


恋する文豪: 日本文学編 (きゅんきゅんくる!教養)恋する文豪: 日本文学編 (きゅんきゅんくる!教養)
(2012/02/16)
真山 知幸、 他

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恋する文豪 海外文学編 (きゅんきゅんくる!教養 3)恋する文豪 海外文学編 (きゅんきゅんくる!教養 3)
(2012/07/19)
真山 知幸、 他

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スマホ家電買ったり、湊かなえ本買ったりの巻

前回の記事で散々に書いておきながら、
ヘルシオではなくビストロを買ってしまった……。
スマホ家電が我が家に鎮座することになるとは。
いやー、人生わからないものです。


Panasonic スチームオーブンレンジ NE-R3500-RKPanasonic スチームオーブンレンジ NE-R3500-RK
(2012/06/01)
パナソニック

商品詳細を見る



スマホでピッってやんのかな。
どうなんだ。


先週末はぶらり旅。
手持ち無沙汰で、コンビニを巡って
何かぱぱぱと読めるもの、と
普段手を出さないようなものを買ってみた。


贖罪 (ミステリ・フロンティア)贖罪 (ミステリ・フロンティア)
(2009/06/11)
湊 かなえ

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やはり陰鬱な内容。
よくもまあ、こんだけ連鎖的な悲劇を考え付くなあ。
でも読ませる力があることは確か。
映画化もされてるのか。エグそうだ。


怒涛のスピードで読み終え、
今日から読み始めたのがこちら。
また感想書くかね。


夢を与える (河出文庫)夢を与える (河出文庫)
(2012/10/05)
綿矢 りさ

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執筆に使う文献ばかり読んでいると、
無性にストーリー物が読みたくなる。

とはいえ、移り気なので、
またいろんなものに手を出すのだろう。
執筆の資料集めもぼちぼちやらんとね。

著作一覧
プロフィール

真山知幸

Author:真山知幸
真山知幸。執筆業。著書に『大富豪破天荒伝説』(東京書籍)、『君の歳にあの偉人は何を語ったか』(星海社新書)、『天才100の名言』『不安な心をしずめる名言』(PHP研究所)、監修に『恋する文豪』(東京書籍)など。他の筆名含めて著作は計23冊(うち監修2冊)。名古屋外国語大学で現代国際学特殊講義など。
【メール】
mayama.tomoyuki(at)gmail.com
※ (at) は @ に置き換えて下さい

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